溝江達英【公式】

なぜKNOWのKは発音されないのか。

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なぜか最近K音が気になってしょうがない。

コカ・コーラ、コダック、クリネックス、ケンタッキー

ネーミング業界では絶対的知名度のある商品名にはK音が含まれるという神話さえある。

硬い音のKは消えにくく、頭に残りやすいがその理由である。

語頭のK音が印象深い。特にコカ・コーラなんてK音を二度も語頭に重ねている。

K音は韓国語では視覚的に表される。ハングルのKはㄱで、カギ型である。

鉤型のたての直線はのど、横の先は口蓋をイメージした表意かつ表音文字。

Kの音を出すには気流が喉(縦線)をとおり、口蓋(横線)を通って抜けるというイメージ図からできている。

K音は隣接環境によっては独立したK音を保てないこともある。(韓国語もK音はG音にも変化する。)

イタリア語ではCは基本Kと読むが、母音が後続すると、音が変わってしまう。
CIAO !これをさすがにキアオとは読めず、CIの部分はチャになる。

英語に至っては、KNOWと書いて、Kはなぜか読まない。Kが完全無視。語頭にあるのに。なんて哀しいかな。崩れたK音神話。

もともとはKNOWはKEN(知力の及ぶ範囲という古い英語)に由来し、KnowもGnoという一番古い段階が想定されている。

KEN(知力の及ぶ範囲)はCAN(できる)と姉妹語でもある。

(ドイツ語を知っている人であれば、kennen=know, konnen=can が親戚関係にあるのはすぐにわかる。本来はoの上にウムラウトを載せるべきだがドイツ語キーボードに変わらないのでご勘弁。)

ここで一気に、KEN=Can=Knowがつながる。

ステップ1:知力の及ぶ範囲(KEN)はできること(can)

ステップ2:できること(can)は経験済みで知ってること(KNOW)

このような発展段階があったと想定される。

ポイントは歴史的にもKenが一番古く、このKENが時を経て語頭Kを黙字扱いにしたのがKnowだと考えられる。

でもKnowのKは最初から黙字だったわけではない。

この黙字になる段階に意味があると思う。

つまり、できてはじめて知っていると言える段階であって(=canの後にKnowが来るのであり)

知っているだけのこと、知識にとどまっているだけのことを、できると呼んではいけないということがわかる。

できないうちは知っていると呼べない痛烈な教訓がこの読まれない語頭K音の叫びである。






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Dr.Tatsuhide Mizoe

溝江達英

言語をこよなく愛し、学んだ外国語は20ヶ国語以上にも上る国際言語学者。カナダ・ラヴァル大学にて、講義をフランス語で行い、受け持つ授業は北米最多クラスの年間270コマ超の、超人気の言語学教官として活躍中。

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