溝江達英【公式】

やらないことを決める

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カナダの大学に勤務して良かったなぁと思うこと。

それは、業務命令でも上司の顔色を気にすること無くNOを言えることだ。

まるでハサミでバッサリ切るがごとく、やりたくない仕事は切れる

でも、日本人はこの【切る】が非常に苦手なのも知っている。

事実、僕もこのNOが言えるようになるまで5年以上はかかったと思う。

思い起こせば、悩み事があってカナダ人に相談する度に

It’s not your problem.とよく言われていた。

日本人は、自分以外の問題も自分の問題に取り込むクセがあることを思い知らされた瞬間でもあったし、カナダ人が随分ドライに見えた瞬間でもあった。

こんなことを考えながら、【切る】ことは何なんだろうと考えて、ハサミの語源に辿り着く。

ハサミは英語ではScissors

実は、ハサミで切り刻むことと同じ意味を持つものにScience(サイエンス)がある。

ここに共通するのはSCI-という語幹。このSCI−は切断をコアにする。

ハサミは切断の道具。サイエンスは現象をミクロ世界へ切り刻む作業。

実際、【分ける】も【分かる】も、漢字の中に【刀】が入っているから、分割していくことが、分かることにつながるのは、洋の東西を問わない。

分ければ分かる。

もっと言えば、切れば分かる。

何をやるかを決めるよりも、【何を切るか】を決めてしまえば、やることがより分かってくる。

やらないことを決める。もっと言えば【あきらめる】だ。

あきらめるは、【明らかに見る】に由来する。無念な意味ではない。むしろポジティブな意味だ。

【これはやりません!】が明らかに見えれば、余分なものが削ぎ落とされて、本質がよりクリアーに見える。

 
 






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Dr.Tatsuhide Mizoe

溝江達英

言語をこよなく愛し、学んだ外国語は20ヶ国語以上にも上る国際言語学者。カナダ・ラヴァル大学にて、講義をフランス語で行い、受け持つ授業は北米最多クラスの年間270コマ超の、超人気の言語学教官として活躍中。

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