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ホタルを火垂ると読むことについて

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ホタルには火垂るという当て字がある。

【ほ】が火で、【たる】が垂れるで、火(=ほ)が垂れて見えているから?

こんな解釈があることを知った。

事実、岩波古語辞典は”ほ”が火と同源という立場を取る。

”ほ”が火を表す例はあるにはある。火影とかいて、ほかげと読む場合はそうである。

また

ほのおは【火の穂】(ほ・【火】+の+ほ【穂】)とされ、火が膨らみをもった状態(=穂)のことのようだ。

そもそも、ほお(頬)というのも、ほほという言い方もあるように、”ほ”は穂であり、どんどん、成長していくもの、膨らむもの、膨張するものというコアを認める国語学者もいる。

”ほ”は膨らみを持ち、”ひ”と関係する。火はどんどん燃え盛っていく。

そして、更に、火は日(=太陽)と関係し、ひかり(光)と結ばれる。

太陽から火を借りて来れば、ひかり(ひ=火を借りてくる→火借り)。明るさを太陽から借りてくることで【ひかり=日・火+借り】となる。

火を借りる様を動態的に捉えれば、ピカピカ となる。

ちなみに、ひかりは現代語ではひかりだが、昔はぴかりであった。

このHIがPIと交替するのには理由がある。

ひらがなでは・ひ・ふ・へ・ほを見ても関係性がわかりにくいが、

Ha-Hi-FU-he-ho とローマ字転写すると

なぜか、Hが貫かれず、Fだけ突然変異で摩擦音が入る。

摩擦音とは下唇に歯が軽くあたり甘噛みする音である。

もともとは、は・ひ・ふ・へ・ほ はすべて摩擦音だった歴史に起因する。

本当は

Fa-Fi-Fu-Fe-Fo

があるべき姿だった。つまり、すべての音で、甘噛み現象が起きていた。

でも時代と共に、甘噛みによる摩擦なんか面倒で、摩擦もしない息さえ吐いていれば出てくる音、Ha-Hi-Fu-He-Hoに堕落していく。

でももっともっと古い祖語の段階では、摩擦よりも手間がかかる、両唇音(唇の両方をちゃんとつける)音がは・ひ・ふ・へ・ほの一番古い形だと想定されている。

ずばり

Pa-Pi-Pu-Pe-Po

が、ha-hi-fu-he-hoの起源とされている。

よって、今、ハハ(母)と発音すれば、太古の人は、パパと理解する。

母はパパだったのだから。
(これはずっと前にも書いたことの繰り返しですが、もう一度書きました。)

HIがPIと同じ祖先であることの仮定で、韓国語を眺めて見ると、プルコギもプルのPUがHIの転化である説が当てはまるように見えてきた。(プルが火で、コギが肉だから、焼き肉ということになるのだろう。)

H系列はF系列ともP系列とも行き来できることが多いのは韓国語とかそういう限定的なものではなく、西洋諸語内部広く認められる現象だ。(この点については後日解説)

ホタルの話に戻るが、ホが火とつながるのは分かったが、韓国語のタリは実は足を意味する。

ホタルのタルはもしかして韓国語の足なのか???? 確かに、日本語でも、足りる(=たりる)と書けば、足の字が出てくる。

ホが火で、タリが足だと、足が光るのがほたるなのか。垂れるではなく、足なのか?

(でも実際光っているのは足ではなく、お尻らしいが。)

結局、ホタルの語源の正解は僕に分からなかった。

でも、追求する過程にこれだけのおまけ知識がついてきたので満足

このおまけが自分には良かったので、ぶっちゃけ正解なんてあってもなくてもいい。

音声現象の規則性が言語の別を問わずに規則的に変化するのを見ると数式を見ている錯覚に襲われる。そこが病みつきになって言語学の世界に入った。

この数式の適用が多言語学習に応用された時、別個に見えていた現象が急激につながって見える。

 

 






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Dr.Tatsuhide Mizoe

溝江達英

言語をこよなく愛し、学んだ外国語は20ヶ国語以上にも上る国際言語学者。カナダ・ラヴァル大学にて、講義をフランス語で行い、受け持つ授業は北米最多クラスの年間270コマ超の、超人気の言語学教官として活躍中。

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