溝江達英【公式】

名詞なのか形容詞なのか。

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【名詞なのか形容詞なのか】

先日、ロンドンから来たお客とタクシーに乗った時、彼が前に座り、私が後部座席に陣取ったのだが、その時、僕に
Do you have enough leg room ? と言ってきた。

 

 

私がFATなので、場所にゆとりがないのか?という気遣いだとは思うが、私の興味は、そんなことよりも、leg がlegs になっていないところだった。
英語は他の西洋諸語と違って、原則、形容詞は複数形を持たない。

脚は2本であるから純粋名詞用法であれば、leg ではなくlegsでなければいけないはず。
なのにlegs room ではなく、leg room なのである。

legsがroomを修飾するために、完全に形容詞化して、legsがlegになっているのである。(=英語は形容詞化すると複数を排除するので)
後日、言語学科の同僚に質問すると、別な例文を出してきた。

Do you have enough elbow room ?

これもOKらしい。

Googleで検索すると、このような用法は乗り物で乗り合わせた人と、窮屈じゃないですか?っていう気遣い表現としての用法が圧倒的な場合を占める。
また、言語学科の同僚は名詞の形容詞化として面白い例文を出してきた。

I was unchurched when I was a child.
churchを完全に形容詞化しているのである。
子供の時、宗教がらみ(教会の)の教育を全く受けてなかった。

これも面白い。

名詞のchurchを過去分詞として形容詞扱いしている。

あとは I was scapegoated.

濡れ衣を着せられる。
こんな例文も貰った。

名詞から派生して完全形容詞化してしまう最近の英語。
この傾向も面白いが、名詞をそのまま動詞にするのも止まらない。

昨日、アメリカ人と話していて、こう僕に言ってきたので、すかさずメモ。

You can PDF it.

他にも

Do you party ?

こんなのもある。

言語学者の中では英語はなるほど歴史的には屈折語ではあるが、だんだん中国語のように孤立語の文法に似てきているという意見がある。
一つの単語が実は品詞など関係なく、時に、名詞、時に形容詞、時に動詞と、中国語みたいになっているのではないか。最近はその傾向がすごく強くなっているように思う。

もうちょっといわゆる変な例文、それでありながら、実際の場面で使われる表現を収集してみたいと思う。






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Dr.Tatsuhide Mizoe

溝江達英

言語をこよなく愛し、学んだ外国語は20ヶ国語以上にも上る国際言語学者。カナダ・ラヴァル大学にて、講義をフランス語で行い、受け持つ授業は北米最多クラスの年間270コマ超の、超人気の言語学教官として活躍中。

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