溝江達英【公式】

風立ちぬの外国語のセリフ

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妻の誕生日だったのでレストランで食事をしてから風立ちぬを見に行った。

ポールヴァレリーの海辺の墓地(Le Cimetière marin)の一節

Le vent se lève, il faut tenter de vivre から始まる映画。この言葉の意味が深い。

Leはフランス語の定冠詞で英語のTHEにあたる。もともとはラテン語のIlleという形が完全形。仏語の祖先であるラテン語には定冠詞などなかった。

Illeそのものは指示形容詞で英語のTHISであってTHEではない。

このIlleという単語が空中分解するかのごとく2つに割れてしまった。

前半分ILと後半部分LEが分割してしまい、指示形容詞ではなく冠詞としての機能を帯びていく。イタリア語はILが定冠詞となり、フランス語は後半部分のLEが定冠詞となる。

Ventは風。ちなみにスペイン語ではventanaは風を入れるという意味から窓。英語のwindowはwindは風だが、後半のowは目という意味。風を入れる目=窓 になる。

Se lève のseは英語のself と同根。自分でという意味。

lèveはよく聞くレバレッジ(テコの原理)というカタカナ語に入っている言葉と親戚。テコ=起き上がらせるもの

Se lèveで、自分自身を起き上がらせる=起きるになる。

ここまでをまとめれば、風が自分自身で起きる→風が起こる(風立ちぬ)になる。

後半部分がまた意味深い。生き続けようとしなければいけない。という言葉が続く。

風が吹くなどの自然現象と人間の生きるがつながるところは映画を見ると各々が哲学できる場所。

映画では仏語、伊語、独語が出て来るが日本語に訳してもいない。

僕はひたすら原語の意味を噛みしめた。ドイツ語で耳に残っているのはStolz(誇り)という言葉。ドイツの飛行機はドイツの誇りという場面で出てくる。

ちなみに妻は純愛に感銘を受け大号泣してました。

 
 






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Dr.Tatsuhide Mizoe

溝江達英

言語をこよなく愛し、学んだ外国語は20ヶ国語以上にも上る国際言語学者。カナダ・ラヴァル大学にて、講義をフランス語で行い、受け持つ授業は北米最多クラスの年間270コマ超の、超人気の言語学教官として活躍中。

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