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Breakfastの内的言語形態をめぐって

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Breakfastはfast(断食)をbreak(断ち切る)ので朝食だと説明されるので多言語で朝食の内的言語形態が気になって調べてみた。

 

昨日の夕食を最後に、翌日の朝まで断食が生じるので、その断食を破るからbreakfastだという理屈だ。

 

ホメロスの古典ギリシア語でaristonという単語が出てくるが、これは朝食の意味で使われている。

 

それはari-というのが英語の”early”を意味するからだとされる。(でも後に、この単語は後に昼食の意味で使われて、朝食から昼食へスライドする)

 

朝食と昼食が移動してしまう言語は古典ギリシア語だけではなく、現代フランス語の中にも変な移動がある。

 

フランスのフランス語ではpetit déjeuner で(小さな断食中止)で朝食を意味し、dejeunerが昼食を意味する。ただ、カナダのフランス語ではdéjeuner(断食中止)は英語のbreakfastと同じ構造で朝食を表す。そして、昼ごはん(lunch)はカナダのフランス語では、dînerとなる。このカナダのフランス語の昼食、dînerがフランス語のフランスでは夕食にスライドしてしまう。

 

イタリア語で朝食はcolazione だが、そもそもは、ラテン語のcol-latio(集会に呼んで、一緒に食事する)を語源とする。

 

オランダ語ではontbijt (ひとかじり)で朝食、ドイツ語ではFrühstückで(早朝のひとかけら)、スペイン語ではdesayunoで、breakfastと同じ構成で断食中止。desayunoはラテン語のdis-jejuns で、dis-は断絶の接頭辞、jejusは断食を示す。

 

ラテン語の朝食はientaculumで、この単語の前半部ien-はieiunusが元の形で、空腹を表す形容詞が元になっている。

 

ロシア語ではzavtrak (za-utra : 朝の為に)という構成になる。

 

中国語で 你吃饭了吗?

(nǐ chī fàn le ma)
(ニー チー ファン ラ マ)

 

はご飯食べましたか?という意味もあるんでしょうが、こんにちは程度の軽い挨拶のようで(=相手への気遣い)、ベトナム、タイなどでもこのような表現があるんだとか。

 

食べ物関係の語源を調べていると、内的言語形態がとんでもなく神聖なものと、とんでもなく日常的なものとが見えてくる。

 

パンはリトアニア語ではduonaであるが、これは英語でもdonner (ドナー:献血とかでよく使われる提供者)と同根のように、神の贈り物という意味からきていて非常に神聖なものだったりする。

 

ただbreakfastの内的言語形態で見てみると、どの言語も非常に現実的で、かつ描写的だなという印象が今回の語源探訪で分かった気がする。

 

 

 

 






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Dr.Tatsuhide Mizoe

溝江達英

言語をこよなく愛し、学んだ外国語は20ヶ国語以上にも上る国際言語学者。カナダ・ラヴァル大学にて、講義をフランス語で行い、受け持つ授業は北米最多クラスの年間270コマ超の、超人気の言語学教官として活躍中。

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